小暑 (7月7日~7月21日)「しょうしょ」と読む。音は可愛らしい。
二十四節気のうち夏に向かって本格的に気温が上がり始める頃。これから暑くなる目安になる日。梅雨明けが待ち遠しいところ、雨天のたびに降水量を不安に思う日々が続く。じんめりした生活が続いているので、こうなったら、とびきり明るい暑い夏がくることを望む。
夏の暑い時期に冬の体調の良し悪しが作られるという。丁寧に大切に日々を重ねよう。
今年の小暑の始まりは七夕の日。生命力と清らかさにおいて縁起物とされる笹に、願いが書かれた色とりどりの短冊が飾られる七夕飾りが美しい行事。古くは願い事を書くのは梶の葉であった。梶の葉飾りといって、梶の葉に五色の色紙を合わせ糸で止め合わせたもの。和紙の普及に伴い、梶の葉に代わって短冊が使われるようになり、五色は短冊の色として残っている。
この短冊の色には意味があるという。願い事と言うと欲が深いように思える。改めて色の意味を知ると、日々の中で大切にしていることとつながる。
青または緑 「仁」人を思いやる 徳を積む赤 「礼」感謝 先祖、父母を敬う黄 「信」信頼や寛容 友人を大切にする白 「義」規律や正義 約束を守る黒または紫 「智」知性や学力 学問に励む
七夕は日々の成長や上達を願う行事。織姫彦星の伝説も日々の仕事に精進するよう諭す物語。一年に一度しか会えないのは何とも切ないけれど、もともとは二人の幸せと成長を願う話である。
嬉しいこと楽しいことを願うだけでなく、その願いが実現するように、なにかしら出来ることが増えるよう成長を願う心がけを大切にしたい。
この時期は蓮の花が咲き始める頃でもある。極楽浄土に咲くと言われる蓮の花は、泥の中から咲かせるとは思えない、清らかで幻のような美しさである。朝早くにほんのり暗いうちから花びらを開かせ、陽の光とともにしっかりと開花し、昼頃には閉じてしまう儚い花。
お茶でも蓮の香りを楽しむことができる。開く直前の蓮の花の中に茶葉を忍ばせ香りを移し、一晩おいたあと茶葉を取り出してお茶を淹れる。ほんのり花香のするお茶はこの季節だけの贅沢な味わい。



